労働保険事務組合

労働保険事務組合制度とは、中小企業の事業主団体が、その構成員である事業主等の委託を受けて、事業主に代わって労働保険料の申告納付その他労働保険に関する各種の届出等の事務手続を行うことにより、中小事業主の事務処理の負担を軽減し、労働保険の適用促進及び労働保険料の適正な徴収を図る制度です。労働保険事務組合は厚生労働大臣の認可を受け委託事業主の労働保険料の申告、納付、各種届け等を委託事業主にかわってまとめて政府に行います。委託事業主のメリットとして労働・雇用保険に関する事務処理の委託の他、労働保険料の額にかかわらず、労働保険料を3期に分納できる(分割納付制度)の適用、そして事業主や家族従事者(以下事業主等)の労災保険への加入(労災の特別加入制度)等があります。

労災保険は本来、労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して保険給付を行う制度であり、事業主等は対象ではないのですが、その事業主等の業務の実情、災害の発生状況などから、特に労働者に準じて保護すべきと認められる場合に任意に加入できます。これを労災の特別加入制度といいます。

特別加入制度は給付の種類は通常の労働者と同じ扱いになりますが、休業時の補償日額である給付基礎日額を自身で選択でき、給付基礎日額に応じて保険料も変わります。

給付基礎日額(A) 保険料算定基礎額(B) *1 年間保険料(C)
20,000円 7,300,000円 102,200円
18,000円 6,570,000円 91,980円
16,000円 5,840,000円 81,760円
14,000円 5,110,000円 71,540円
12,000円 4,380,000円 61,320円
10,000円 3,650,000円 51,100円
9,000円 3,285,000円 45,990円
8,000円 2,920,000円 40,880円
7,000円 2,555,000円 35,770円
6,000円 2,190,000円 30,660円
5,000円 1,825,000円 25,550円
4,000円 1,460,000円 20,440円
3,500円 1,277,500円 17,878円
*1
B = A × 365日
*2
C = B × 労災保険料率
(例)建設事業の場合(既設建築物設備工事業)保険料率14/1000

なお、委託できる事業主の範囲は使用する労働者数が次の環境以下であることが要件となります。

  1. 1.金融業、保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする場合その使用する労働者数が50人以下の事業主
  2. 2.卸売業又はサービス業を主たる事業とする場合その使用する労働者数が100人以下の事業主
  3. 3.製造業など上記①及び②以外の業種の場合その使用する労働者数が300人以下の事業主

当事務所では、社会保険労務士事務所に労働保険事務組合『阿倍野中小企業労務協会』併設しておりますので、詳細のご説明をご希望される事業所様はお問い合わせください。また、建築事業等で特別加入していることが下請受注の要件となっている場合は"事務組合加入+特別加入"のみのご契約もお受けしております。